Archive for the ‘採用’ Category

Q&A:内定通知を取り消してもよいか

2023-06-06

Q(社長の質問)

採用面接を実施した方へ内定通知書を交付したのですが、その後、その方の経歴に虚偽があることが分かりましたので、内定を取り消したいのですが、内定を取り消してもよいでしょうか。

A(弁護士の回答)
内定を取り消すにあたっては、解雇における解雇権濫用法理とほぼ同様の規制に服することになります。

選考の段階から明らかな事由や、選考過程で調査ができる事由で内定を取り消すことは適法とは認められにくいといえます。しかし、ご質問の「経歴詐称」については、その経歴が選考段階で重要なものであり、かつ、経歴詐称の発覚によって従業員としての不適格性等が明らかになったといえる場合には、内定取消事由として認められやすいといえます。

浦和セントラル法律事務所
弁護士 坂根 洋平

Q&A:採用時の留意点を教えてください

2023-05-06

Q(社長の質問)

従業員を初めて採用します。とくにどのような点に気を付けたらよいでしょうか。

A(弁護士の回答)

従業員を採用する際の法律上のトラブルとして、企業してから間もない経営者の方から、「従業員と揉めています。従業員から『ハローワークの応募書類では、給料は20万円以上となっていたが、実際は15万円しかもらっていない、違法だ。』と言われてしまいました。」というご相談をお受けすることが、しばしばあります。

このようなご相談内容について深くお話しをお伺いしていくと、原因の多くが、採用前あるいは採用時の説明不足にあることがわかります。

具体的に分析すると、最終面接において内定を出す直前の段階で、賃金の詳しい話を行っているため、いざ“お金”の段階で、(概ね採用が決まったと思って双方が安心するのか、それとも、あえて経営者の方が明言しなかったのか、原因はまちまちですが、)双方が確認を怠ることがたびたびあるようです。

応募者(従業員)の方は、20万円以上となっているから少なくとも20万円は支給されるはずだ、と当然信じます。一方、雇用する側(経営者)の方は、とりあえず採用してみて満足できれば予定どおりの給料(20万円)を支払うが、期待どおりでなければ15万円ほどで構わないであろう、という気持ちがあるようです。このような意思の不一致が、入社してから暫く経過してからの賃金トラブルの原因となります。

労働基準法では、採用の際に、賃金・労働時間等の労働条件は書面で明示することになっています。面接や入社前の段階で、双方が労働条件を確認して書面にすることが大切です。無用なトラブル、誤解をなくすために、経営者の方は、「このぐらいは説明しなくても構わないであろう」といった対応ではなく、法令の内容にしたがって書面を作成し、従業員の方にしっかりと労働条件を説明しましょう。

当事務所では、「争いを未然に防ぐ」という観点から、経営者の方向けに、顧問業務を通じて、さまざまな法的アドバイスを行っております。

浦和セントラル法律事務所
弁護士 坂根 洋平

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